東京都港区の弁護士・青山通り法律事務所

東京交通事故相談サポート

東京都港区北青山3-12-7 カプリース青山705

無料相談実施中

お気軽にお問合せください

下肢・足指の関節機能障害とは

下肢の3大関節である「股関節・ひざ・足首」や「足指」の関節動作が制限されたり、人工関節・人工骨頭を挿入置換した場合、関節機能障害として後遺障害が認定されます。

動揺関節習慣性脱臼・弾発ひざについても、関節の機能障害として扱われます。

動揺関節とは、関節が安定性を失ってぐらつく状態のものです。習慣性脱臼とは、軽い外力で容易に脱臼する状態のものです。弾発ひざとは、ひざ関節の屈伸運動の際にある一定の角度を通過する際に急にばねのように屈伸できるような状態のものです。

下肢・足指の関節機能障害は、骨折、脱臼、靱帯や腱などの軟部組織の損傷、神経損傷によるマヒなどを受傷した場合に生じます。

後遺障害として認定される条件

下肢・足指の関節機能障害が後遺障害として認められるには、機能障害の原因となる器質的損傷が存在すること、が必要です。

1.事故時に骨折等の器質的損傷が確認されること

まず、交通事故による、関節・関節付近の骨折や脱臼、靱帯・腱などの軟部組織の損傷、神経の損傷などが確認されていなければなりません。

そのため、事故後の早期にレントゲンやMRIなどの画像撮影をしておくことが重要です。事故後にレントゲンが撮影されることは多いですが、関節や関節付近を受傷した場合には、関節可動域制限の原因となりうる軟部組織の損傷を確認するためにMRI画像も撮影しておくことが有用です。

また、医師に、事故直後から自覚症状(ひざの痛みなど)をきちんと伝えておく必要があります。事故後かなりの時間を経てから、外傷が判明した場合、事故と外傷の因果関係は否定されることが多いです。しかし、事故直後から一貫した自覚症状の訴えがあれば、後に当該部位に画像検査などで外傷が判明した場合でも、事故と外傷の因果関係を認められる可能性があるからです。

2.症状固定時に機能障害の原因が確認できること

さらに、症状固定時に、関節部分の骨折後の癒合不良、変形癒合、関節の強直、関節周辺組織の変性による関節拘縮、神経マヒなど、関節機能障害の原因が確認できることが必要です。

下肢・足指の関節機能障害の類型


1.関節の器質的変化による可動域制限

関節の器質的変化による可動域制限は、関節それ自体の破壊や強直によるもの関節外の軟部組織(靱帯・腱・筋肉など)の変化によるもの(たとえば阻血性拘縮など)があります。

キュンチャー(骨髄内釘)等を装着し、それが機能障害の原因となる場合は、キュンチャー等の除去後に等級認定を行います。ただし、キュンチャー等の存在が機能障害の原因となっていない場合には、外傷が治癒した段階で等級認定を行います。

廃用性の機能障害(たとえば、ギブスによって患部を固定していたために、治癒後に関節機能障害が残るもの)については、将来における障害の程度の軽減を考慮して等級認定を行います。

関節可動域は、日本整形外科学会及び日本リハビリテーション医学会により決定された「関節可動域表示ならびに測定法」という測定要領にしたがって測定します。

測定方法について詳しくはこちら

ただ、測定要領にしたがって、医師が測定したとしても、どの程度まで力を加えて可動域を測定するかは、医師によってバラツキがあります。そのため、測定する医師によって、検査結果の数値が異なる場合もあります。実務上よく見られのが、医師の検査結果が異なるため、労災保険の後遺障害認定と自賠責保険の後遺障害認定の等級が異なっているケースです。


2.神経マヒによる関節の自動運動の制限

神経が断裂するなどして神経マヒが生じた結果、自力で関節を動かすことが困難になった状態です。

交通事故で生じる下肢・足指の関節機能障害で問題になることが多いのは以下のマヒです。

○腓骨(ひこつ)神経麻痺

腓骨神経とは、坐骨神経から分かれて、膝関節の裏側から膝外側を下降して足指まで走行する神経です。足首や足指を持ち上げる動作を支配しています。

腓骨神経マヒにより、足首と足指を自力で持ち上げることが出来なくなる下垂足(drop foot)を後遺障害として残すことがあります。

*診断・検査方法

・神経学的検査:チネル(Tinel)サイン(神経障害部を叩いて疼痛が放散するか確認する検査方法)、知覚検査、徒手筋力テスト(MMT)など

・電気生理学的検査:針筋電図検査、神経伝導速度検査など


3.人工関節や人工骨頭の挿入置換

人工関節や人工骨頭を挿入置換した場合には、下肢の機能障害として後遺障害が認定されます。

人工関節や人工骨頭には耐用年数があるため、将来の再手術により置換することが必要との理由で、将来の手術費が損害として認められることもあります。


4.動揺関節

交通事故による骨折・脱臼・靱帯損傷などで、関節が安定性を失ってぐらつく状態の「動揺関節」となった場合には、硬性補装具を必要とするものについて後遺障害が認定されます。

硬性補装具とは、伸縮性のあるサポーターなどではなく、プラスティックや金属フレームで作成された補装具です。

※ひざ関節の靱帯損傷による動揺関節

靱帯とは骨と骨を連結する組織です。ひざ関節部分の靱帯損傷により後遺障害として動揺関節が残ることがあります。交通事故で生じることが多い膝靱帯損傷は以下のものです。

①前十字靱帯(ACL)損傷

前十字靱帯損傷とは、大腿骨(太ももの骨)と脛骨(すねの骨)を連結して脛骨が前方へずれることを防いでいる前十字靱帯の損傷です。前十字靭帯が断裂すると脛骨が大腿骨に対し前方へずれてきます。

*診断・検査方法

・前方引き出しテスト

ひざを90度曲げ、患者の足を軽く固定した状態で、両手で脛骨を前方に引き出せるかをみる検査です。

・ラックマンテスト(Lachman test)

大腿部を押さえて他方の手で脛骨を前方に引き出せるかをみる検査です

・ピボットシフトテスト(Pivot shift test)

膝に外反、内旋のストレスをかけ、伸展から屈曲させていき、30度ほど曲げたところでカクンと脛骨が後方の正常な位置に戻るかをみる検査です。

・画像検査:単純レントゲン、MRI、ストレスレントゲン撮影

ストレスレントゲン撮影とは、脛骨を前方に引っ張り出して、骨のズレを生じさせた状態で横からレントゲンを撮影する検査です。

②後十字靱帯(PCL)損傷

後十字靱帯損傷とは、大腿骨と脛骨を連結して脛骨が後方へずれることを防いでいる後十字靱帯の損傷です。後十字靭帯が断裂すると脛骨が大腿骨に対し後方へずれてきます。

*診断・検査方法

・後方引き出しテスト

ひざを90度曲げ、患者の足を軽く固定した状態で、両手で脛骨を押して後方に移動できるかをみる検査です

・画像検査:単純レントゲン、MRI、ストレスレントゲン撮影

ストレスレントゲン撮影とは、脛骨を後方に押し出して、骨のズレを生じさせた状態でレントゲンを撮影する検査です。

③内側側副靱帯(MCL)損傷

内側側副靱帯損傷とは、大腿骨と脛骨を連結して脛骨が側方へずれるのを防ぐ靱帯の損傷です。膝を外側に反らせるとグラグラと動揺が生じます。十字靱帯損傷などを合併していない単独損傷では膝の不安定性は小さいです。

*診断・検査方法

・外反動揺性テスト

膝を伸ばした状態や30度に曲げた状態で、脛骨を外に反らしたときに膝のぐらつきが生じるかを確認する検査です。

・画像検査:単純レントゲン、MRI、ストレスレントゲン撮影

ストレスレントゲン撮影とは、脛骨を外側に押し出して、骨のズレを生じさせた状態でレントゲンを撮影する検査です。

下肢・足指の関節機能障害の認定基準

下肢の関節機能障害の認定基準

下肢の関節機能障害の認定基準
1級両下肢の用を全廃したもの

両下肢の3大関節(股関節・ひざ・足首)のすべてが全く可動しないか、可動域が10%以下に制限されたもの

5級1下肢の用を全廃したもの1下肢の3大関節(股関節・ひざ・足首)のすべてが全く可動しないか、可動域が10%以下に制限されたもの。
6級2つの関節の用を廃したもの3大関節(股関節・ひざ・足首)のうち2つが全く可動しないか、可動域が10%以下に制限されたもの

完全弛緩性マヒ、または、それに近いもの

※他動では可動するが、自動では可動域が10%以下に制限されたもの

人工関節・人工骨頭を挿入し、可動域が2分の1以下に制限されているもの
8級1つの関節の用を廃したもの

3大関節(股関節・ひざ・足首)のうち1つが全く可動しないか、可動域が10%以下に制限されたもの

完全弛緩性マヒ、または、それに近いもの

※他動では可動するが、自動では可動域が10%以下に制限されたもの

人工関節・人工骨頭を挿入し、かつ、可動域が2分の1以下に制限されているもの
常に硬性補装具を必要とする動揺関節
10級1つの関節の著しい機能障害

3大関節(股関節・ひざ・足首)のうち1つの可動域が2分の1以下に制限されているもの

人工関節・人工骨頭を挿入したもの
時々硬性補装具を必要とする動揺関節
12級1つの関節の機能障害3大関節(股関節・ひざ・足首)のうち1つの可動域が4分の3以下に制限されているもの
重激な労働等の際以外は硬性補装具を必要としない動揺関節

習慣性脱臼・弾発ひざ

足指の関節機能障害の認定基準

足指の関節機能障害の認定基準
7級両足の足指の全部の用を廃したもの
9級1足の足指の全部の用を廃したもの
11級1足の親指(第1指)を含み2以上の足指の用を廃したもの
12級1足の親指(第1指)または他の4つの足指の用を廃したもの
13級1足の人差し指(第2指)の用を廃したもの、人差し指(第2指)を含み2つの足指の用を廃したものまたは中指(第3指)以下の3つの足指の用を廃したもの
14級1足の中指(第3指)以下の1つまたは2つの足指の用を廃したもの

足指の用を廃したとは、以下のものをいいます。

  1. 親指(第1指)の末節骨の長さの2分の1以上を失ったもの
  2. 親指(第1指)以外の足指を中節骨もしくは基節骨を切断したものまたは遠位指節間関節もしくは近位指節間関節において離断したもの
  3. 中足指節関節または近位指節間関節(第1指にあっては指節間関節)の可動域が健側の可動域角度の2分の1以下に制限されるもの

下肢・足指の関節可動域の測定要領

障害を残す関節の可動域を測定して、原則として健側の可動域角度と比較することにより、関節可動域制限の程度を評価します。測定値は、5度単位の切り上げで記載します。たとえば、実際の測定値が92度であった場合には95度と記載されます。

健側となるべき関節にも障害を残す等の場合は、「参考可動域角度」との比較により関節可動域制限の程度を評価します。

関節の機能障害は、原則として主要運動の可動域制限の程度によって評価します。

ただし、下肢の3大関節の主要運動の測定値が「わずかに」2分の1または4分の3を上回る場合には、参考運動の可動域が2分の1または4分の3以下に制限されているときは、「関節の著しい機能障害」または「関節の機能障害」と評価されます。

この場合の「わずかに」とは、原則として5度です。ただし、「股関節の屈曲・伸展」について、「関節の著しい機能障害」にあたるか否かを判断する場合は10度とされています。

 

部位主要運動参考運動
 股関節屈曲・伸展、外転・内転外旋・内旋
 ひざ関節屈曲・伸展
 足関節屈曲・伸展 
 足指屈曲・伸展 

股関節の可動域測定要領

股関節は、主要運動が複数あります。「屈曲・伸展」と「外転・内転」が主要運動です。「屈曲・伸展」と「外転・内転」はいずれも合計した値をもって評価します。

「外旋・内旋」が参考運動です。外旋・内旋」は合計値をもって評価します。

「屈曲・伸展」と「外転・内転」のいずれの主要運動も全く可動しないかまたは可動域が10%以下に制限された場合に「関節の用を廃した」と認定されます。

「屈曲・伸展」と「外転・内転」のいずれか一方の主要運動の可動域が、2分の1以下または4分の3以下に制限されている場合に、「関節の著しい機能障害」または「関節の機能障害」と認定されます。

 

股関節の可動域
運動方向屈曲伸展外転内転外旋内旋
参考可動域角度1251545204545

 

股関節可動域

ひざ関節の可動域測定要領

ひざ関節は、「屈曲・伸展」が主要運動です。ひざ関節の可動域は「屈曲・伸展」の合計値をもって評価します。ひざ関節には参考運動がありません。

 

ひざ関節の可動域
運動方向屈曲伸展
参考可動域角度1300

ひざ関節可動域

足(足首)関節の可動域測定要領

足関節は、「屈曲(底屈)・伸展(背屈)」が主要運動です。足関節の可動域は「屈曲・伸展」の合計値をもって評価します。足関節には参考運動はありません。

 

足関節の可動域
運動方向屈曲(底屈)伸展(背屈)
参考可動域角度4520

足関節可動域

親指(第1指)の関節の可動域測定要領

親指は、「屈曲・伸展」が主要運動です。「屈曲・伸展」の合計値をもって評価します。親指関節には参考運動はありません。

 

親指(第1指)関節の可動域
運動方向屈曲(MTP)伸展(MTP)屈曲(IP)伸展(IP)
参考可動域角度3560600

足親指関節可動域

足指(親指以外)の関節の可動域測定要領

足指は、「屈曲・伸展」が主要運動です。「屈曲・伸展」の合計値をもって評価します。足指の関節には参考運動はありません。

 

足指関節の可動域
運動方向屈曲(MTP)伸展(MTP)

屈曲

(PIP)

伸展

(PIP)

屈曲(DIP)伸展(DIP)
参考可動域角度3540350500

交通事故無料相談のお申込はこちら

お気軽にお問合せください

お電話での無料相談申込はこちら

03-6427-1416

受付時間:9:30~18:00(土日祝を除く)

メール・FAXでのお申込は24時間受付