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脛骨高原(プラトー)骨折による後遺障害(後遺症)

脛骨高原骨折とは

脛骨とは、「すね」の骨です。脛骨高原(プラトー)骨折とは、脛骨のうち膝関節付近を骨折したものです。脛骨高原骨折は、「脛骨近位端骨折」、「脛骨顆部骨折」、という診断傷病名がつけられることもあります。

脛骨高原骨折は、半月板損傷や靭帯損傷を同時に受傷することもあります。

交通事故による脛骨高原骨折は、当事務所が過去に扱った事件において、自転車やバイクに乗車中の事故が比較的多いですが、とくに高齢者の場合には歩行中の事故によるものも多いです。

骨折部分の転位(ズレ)や陥没が、それほどひどくない場合には、ギブス固定などによる保存治療がなされます。これに対し、転位や陥没がひどい場合には、手術により骨折部のズレを治してプレートやスクリューにより固定します。

荷重(体重をかける)リハビリや関節可動域のリハビリをこなしていき、手術後6カ月~1年くらいで症状固定になることが多いです。

脛骨高原部

後遺障害の内容・等級

1.ひざ関節の可動域制限(機能障害)

脛骨高原骨折は、ひざ関節部分の骨折なので、骨折部のズレが解消しなかったり、関節面に乱れが残ることにより、ひざ関節の可動域制限の後遺障害が残ることが多いです。

具体的には、「しゃがめない」、「正座ができない」、「あぐらができない」、「階段の昇降が不自由」などの障害が残ります。

●ひざ関節の可動域制限で、後遺障害が認定される場合の等級は、第10級11号や第12級7号です。

・第10級11号[ひざ関節の可動域が健側と比べて2分1以下に制限されるもの]

・第12級7号[ひざ関節の可動域が健側と比べて4分3以下に制限されるもの]

●将来的に変形性膝関節症が発生することもあり、その場合には、人工膝関節置換術が施されることもあります。人工関節となった場合の後遺障害等級は、第8級7号や第10級11号です。

・第8級7号[膝に人工関節・人工骨頭を挿入し、かつ、可動域が2分の1以下に制限されるもの]

・第10級11号[膝に人工関節・人工骨頭を挿入したもの]


2.神経症状
脛骨高原骨折によるひざ関節可動域制限の後遺障害が認定されない場合でも、「ひざの屈曲時痛」、「運動痛」、「荷重時痛」などの神経症状が残る場合には、第12級13号や第14級9号の神経症状の後遺障害が認定されます。

なお、ひざ関節可動域制限の後遺傷害が残る場合には、神経症状については、可動域制限の後遺障害に含めて評価されるので、独立して後遺障害認定はされません。

・第12級13号[画像所見などにより、神経症状の発生を医学的に証明できるもの]

・第14級9号[医学的には証明できなくても、被害者の自覚症状が単なる故意の誇張でないと医学的に推定できるもの]


3.骨盤骨の変形障害
脛骨高原骨折の手術により、骨折部を整復しても空洞部分などが残る場合、骨盤骨(腸骨)を採取して移植することがあります。骨盤骨採取により骨盤骨に、「裸体になったときに明らかにわかる程度の著しい変形」が生じた場合、第12級5号の後遺障害が認定されます。

・第12級5号[骨盤骨に著しい変形を残すもの]

脛骨高原(プラトー)骨折の後遺障害による損害額

具体的算定例(40歳男性会社員 年収500万円と仮定した場合)

※裁判基準で認められる可能性のある金額です、傷害慰謝料や休業損害などの「傷害による損害」も別途認められます。


1.ひざ関節可動域制限のケース
①第10級11号(ひざ関節の可動域が健側と比べて2分1以下に制限)

  • [逸失利益] 500万円×0.27(10級の労働能力喪失率27%)×14.643(40歳~67歳まで労働能力喪失期間27年のライプニッツ係数)=1,976万8,050円
  • [10級の後遺障害慰謝料] 550万円

合計:2,526万8,050円

②第12級7号(ひざ関節の可動域が健側と比べて4分3以下に制限)

  • [逸失利益] 500万円×0.14(12級の労働能力喪失率14%)×14.643(40歳~67歳まで労働能力喪失期間27年のライプニッツ係数)=1,025万0,100円
  • [12級の後遺障害慰謝料] 290万円

合計:1,315万0,100円


2.ひざ疼痛などの神経症状のケース
①第12級13号(画像所見などにより、神経症状の発生を医学的に証明できるもの)

  • [逸失利益] 500万円×0.14(12級の労働能力喪失率14%)×7.7217(※労働能力喪失期間10年のライプニッツ係数)=540万5,190円 ※12級の神経症状の場合、労働能力喪失期間を5~10年に制限されることが多いです。
  • [12級の後遺障害慰謝料] 290万円

合計:830万5,190円

②第14級9号(医学的には証明できなくても、被害者の自覚症状が単なる故意の誇張でないと医学的に推定できるもの)
・[逸失利益] 500万円×0.05(14級の労働能力喪失率5%)×4.3295(※労働能力喪失期間5年のライプニッツ係数)=108万2,375円
※14級の神経症状の場合、労働能力喪失期間を5年以下に制限されることが多いです。
・[14級の後遺障害慰謝料] 110万円

合計:218万2,375円


3.腸骨採取による骨盤骨変形障害のケース
●第12級5号(骨盤骨に著しい変形を残すもの)
・[逸失利益]0円
※骨移植用採骨後の骨盤変形における労働能力の喪失はほとんどないに等しいと言う医師が多く、裁判例も、労働能力喪失(基準値:労働能力喪失率14%)を完全に否定したものが多く、後遺症逸失利益を認められることは少ないのが現状です。
・[12級の後遺障害慰謝料] 290万円
合計:290万円

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